挿げの技
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挿げの道具たちです。使い慣れると手の感触で自分のものかどうかわかります。
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鼻緒の太さに合わせて下駄の前穴・後穴を調節します。
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鼻緒の根を通します。後穴で結ぶ準備になり、関東と関西で通し方が違います。
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前穴に鼻緒を通して裏で結びます。前壺(指ではさむ部分)の出し方でサイズを調整します。
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後穴に鼻緒を通します。履きやすい形をつくります。
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鼻緒を結びます。この時もサイズ調整します。ここで履きやすさが変わりますので職人の腕の見せ所です。
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サイズのチェックです。手の感覚でサイズがわかるのが職人のすごさでもあります。
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鼻緒を結んで余った緒ひもを飾り巻きにします。緩みにくく切れ防止にもなります。
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前穴に飾り金具をつけます。関東では革を打つ場合もあるようです。金具がなくなっても鼻緒がほどけたりしないのでそのまま使用しても大丈夫です。
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出来上がりです。左右区別なく同じように仕立て上がります。職人の技です。
履き方
≪外指とかかとは出ます≫
かかとを台から2~3㎝だして、薬指と小指をおとして履くのが、男性は”粋”、女性は”艶”(色気)といいます。鼻緒は奥まで入れずにつまむ程度とはいわれますが、歩きやすさの面からもしっかり足を入れて履く方が多いようです。
着物の裾をふまないように歩くためにかかとを出すのです。
≪左右の区別はありません≫
昔からの知恵です。入替ながら履くことで減りを均等に、長持ちさせるために、左右無しなのです。
並べても左右の区別がつきませんよね。
季節やTPOで履物を選ぶ
≪夏は塗下駄、冬は白下駄≫
裸足で白木の下駄を履くと足の脂などで汚れてしまいます。また、塗下駄を足袋で履くと滑ってしまいます。
焼下駄や鎌倉彫などは一年中履いていただけます。
≪雪駄・草履は靴、下駄はつっかけ≫
おおざっぱな表現になりますが、あらたまった席では下駄は合いません。着物の格に合わせて女性の草履は高さを選ぶ必要があります。(高いほうが格が上がるといわれます。)